「50代で介護派遣を始めたけど、思っていたより体力的にきつい…」「初回の更新、断ってもいいのかな」そんな不安を抱えていませんか?
実は、派遣介護の契約を初回で更新しないことは、年齢に関係なく労働者の権利として認められています。とはいえ、「まだ3ヶ月しか働いてないのに辞めるなんて」「50代だから次がないかも」と罪悪感や焦りを感じる気持ち、よくわかります。
この記事では、50代で介護派遣の初回更新をしない場合の適切な伝え方、その後の選択肢、そして業界の実態まで、信頼できる情報をお届けします。
【記事について】 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談や労働相談に代わるものではありません。具体的な判断が必要な場合は、弁護士・社会保険労務士等の専門家、またはハローワークにご相談ください。最終更新日: 2026年1月29日
50代で介護派遣、初回更新しないのは本当に大丈夫?
結論から言えば、年齢に関係なく、初回更新を断ることは労働者の権利として認められています。むしろ、無理して続けて体調を崩すほうが、長期的には良くない結果を招く可能性があります。
法律上は全く問題なし、年齢も関係ない
労働者派遣法では、派遣労働者が契約更新の可否を判断できる権利が保障されています。これは年齢や経験に関わらず、すべての派遣労働者に適用されます。
派遣契約は基本的に2~3ヶ月ごとに更新されますが、その都度「続けるか、辞めるか」を選択できる仕組みになっています。初回だからといって特別な制限はありません。
ただし、契約内容や就業規則によって細かい条件が異なる場合があります。ご自身の契約書を確認するか、派遣会社の担当者に事前に相談することをおすすめします。

初回3ヶ月で辞める人は実は多い
公益財団法人介護労働安定センターの「令和4年度介護労働実態調査」によると、介護職員の離職理由の上位には「職場の人間関係」「法人や施設の理念・運営方針への不満」「他に良い仕事があった」などが挙げられています。
派遣会社へのヒアリングによると、初回更新のタイミングで契約を終了する派遣スタッフは一定数存在します。求人票や面接では分からなかった現場の実態—利用者さんの要介護度、人間関係、業務の負担—が、実際に働いてみて初めて明らかになるためです。
つまり、初回更新を断ること自体は決して珍しいことではありません。
50代だからこそ無理は禁物
一般的に、年齢を重ねると疲労の回復に時間がかかる傾向があります。20代、30代なら多少無理をしても体が回復しやすいですが、50代では慎重な判断が必要です。
ご自身の体調に不安がある場合は、医療機関に相談することをおすすめします。また、職場環境が体力的に厳しいと感じた場合は、早めに派遣会社に相談し、より適した環境を探すことも選択肢の一つです。
無理して続けて体を壊すより、自分に合った環境で長く働けるほうが、結果的には本人にとっても介護業界にとってもプラスになります。
50代が介護派遣の初回更新をしない主な理由
50代の方が初回更新を断る理由にはいくつかのパターンがあります。ここでは、介護業界でよく聞かれる理由をご紹介します。
体力的についていけなかった
これが最も多い理由の一つです。
介護の仕事は、利用者さんの移乗介助や入浴介助など、想像以上に体力を使う場面があります。求人票には「未経験歓迎」と書いてあっても、実際は重度の要介護者が多い施設だったり、人手不足で一人あたりの負担が大きかったりするケースもあります。
厚生労働省の調査でも、介護職員の腰痛問題は長年の課題として認識されています。特に50代以降の方は、正しい介護技術(ボディメカニクスなど)を習得することで身体的負担を軽減できますが、それでも限界を感じる場合は、環境を見直すことも重要です。
職場の人間関係が合わなかった
介護の現場は、正社員、パート、派遣とさまざまな雇用形態の人が働いています。
その中で、派遣という立場ゆえに距離を感じたり、逆に過度に気を遣われたりすることもあります。特に50代の場合、年下の正社員から指示を受けることもあり、人によっては働きづらさを感じることもあるようです。
ただし、これは職場によって大きく異なります。派遣スタッフを尊重してくれる職場も多く存在しますので、一つの職場で判断せず、複数の選択肢を検討することをおすすめします。
想像以上にハードな業務内容だった
面接では「軽介護中心」と聞いていたのに、実際は重度の利用者さんばかりだった、というミスマッチもあります。
介護度が高い利用者さんが多いと、当然ながら介護の負担も大きくなります。オムツ交換の頻度が高かったり、認知症の方の対応に追われたりと、想定外の業務に戸惑うこともあるでしょう。
求人票と現実のギャップは、残念ながら存在します。それを確かめるための期間が初回契約とも言えます。
家庭の事情で続けられなくなった
50代になると、親の介護が必要になったり、孫の世話を頼まれたりと、家庭の事情が変わることもあります。
派遣を始めた時点では問題なかったのに、突然親が倒れて介護が必要になった、というケースも珍しくありません。また、夜勤シフトが家族の生活リズムに合わず、家庭内で調整が必要になることもあります。
こうした事情は個人の責任ではありません。家族を優先するのは当然のことですし、派遣会社に正直に相談すれば、別の働き方を提案してもらえることもあります。
初回更新しない意思の正しい伝え方【50代向け】
初回更新をしないと決めたら、適切な手順で伝えることが大切です。ここで対応を誤ると、派遣会社との関係に影響が出る可能性もありますので、慎重に進めましょう。
伝えるタイミングは契約終了の1ヶ月前
できるだけ早く、遅くとも契約満了の1ヶ月前までには、更新しない旨を派遣会社に伝えることが望ましいです。
派遣会社は代わりの人材を探す時間が必要です。ギリギリに伝えると、「せめて次の人が見つかるまで」と引き留められる可能性が高くなります。
早めに伝えることで、派遣会社も計画的に動けますし、あなた自身も次のステップを考える時間ができます。理想は契約満了の6週間前ですが、最低でも1ヶ月前には連絡するようにしてください。
必ず派遣会社の担当者に最初に連絡
雇用契約を結んでいるのは派遣会社ですから、必ず派遣会社の営業担当者に最初に連絡してください。派遣先の施設に先に伝えることは避けましょう。
連絡方法は、できれば対面か電話が望ましいです。メールだけで済ませると誠意が伝わりにくく、後々トラブルになることもあります。
理想的な流れ:
- 電話で「ご相談があります」と伝える
- 面談の日時を設定してもらう
- 直接会って事情を説明する
対面が難しい場合は電話でも構いませんが、誠実な態度で話すことが大切です。
理由の伝え方(状況別の例文付き)
更新しない理由は、基本的には正直に伝えることが望ましいですが、伝え方には工夫が必要です。
ポイントは、ネガティブな表現を避けて、建設的な理由を伝えることです。たとえ職場に不満があったとしても、感情的に批判するのは避けましょう。
次のセクションで、状況別の具体的な例文をご紹介します。
【例文あり】50代が使える更新しない理由の伝え方
ここでは、状況別に使える具体的な例文をご紹介します。ご自身の状況に合わせてアレンジしてお使いください。
体力面を理由にする場合
体力的な理由は、50代の方にとって理解されやすい理由です。正直に伝えて問題ありません。
例文: 「今回の施設で働かせていただき、介護の仕事のやりがいは感じているのですが、正直なところ夜勤を含むシフトが想像以上に体力的に厳しいと感じました。年齢的なこともあり、このペースを続けると体調を崩してしまう不安があります。申し訳ありませんが、今回の契約での更新は見送らせていただきたいと思います。ただ、介護の仕事は続けたいと思っていますので、もし日勤のみの施設などがあれば、ぜひご紹介いただけると嬉しいです」
ポイント:
- 仕事自体は前向きに捉えていることを伝える
- 年齢という客観的な背景を添える
- 介護の仕事は続けたい意思を示す
- 次の提案につなげる
別の介護施設を紹介してほしい場合
同じ派遣会社で別の施設を希望する場合は、前向きな理由を強調しましょう。
例文: 「今回の施設では貴重な経験をさせていただきましたが、もう少し利用者様一人ひとりとじっくり向き合える環境で働きたいという思いが強くなりました。特別養護老人ホームは業務に追われる場面が多く、自分がイメージしていた介護とは少し違うと感じています。もし可能であれば、小規模なグループホームやデイサービスなど、利用者様との距離が近い施設をご紹介いただけないでしょうか」
ポイント:
- 現在の施設を否定しない
- スキルアップや成長を理由にする
- 具体的な希望条件を伝える
- 感謝の気持ちを添える
派遣会社自体を変えたい場合
派遣会社そのものに問題がある場合(連絡が遅い、希望を聞いてくれないなど)は、詳しい理由を説明する必要はありません。
例文: 「大変お世話になりましたが、今回の契約満了をもって一度派遣での仕事から離れさせていただきたいと思います。今後のキャリアについて、もう一度じっくり考える時間を取りたいと思っています。短い期間でしたが、貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました」
ポイント:
- 「一身上の都合」的な伝え方で十分
- 派遣会社を批判しない
- 感謝の言葉で締めくくる
一身上の都合で伝える場合
具体的な理由を話したくない場合は、当たり障りのない伝え方でも構いません。
例文: 「一身上の都合により、今回の契約満了をもって退職させていただきたいと思います。急なお話で申し訳ありません。契約満了まではしっかりと業務を全うしますので、よろしくお願いいたします」
ポイント:
- シンプルに伝える
- 責任を持って最後まで働く姿勢を見せる
- 深く追及されても「家庭の事情で詳しくはお話しできません」で通す
ただし、この伝え方だと次の仕事を紹介してもらいにくくなる可能性があります。可能であれば、もう少し具体的な理由を伝えたほうが、その後の関係性は良好に保てます。
初回更新を断った後の過ごし方と注意点
更新しないことを伝えた後も、契約満了日までは派遣スタッフとして働きます。この期間の過ごし方が、今後の評価に影響しますので、注意しましょう。
契約満了まで手を抜かずに働く
「どうせ辞めるから」と手を抜くのは絶対に避けてください。
最後まで誠実に働く姿勢が、派遣会社からの評価につながります。特に50代の場合、「ベテランとしての責任感」を見られていると考えてください。
短い期間でも、最後までプロとして働くことが大切です。
引継ぎはしっかりと行う
次に入る派遣スタッフのために、引継ぎ事項はメモにまとめておきましょう。
たとえ3ヶ月の短期間でも、あなたが気づいた利用者さんの特徴や、業務の流れで工夫したポイントなどは、次の人にとって貴重な情報です。
特に、利用者さん個別の対応方法は、引き継いでおくと喜ばれます。これも、派遣会社からの信頼につながる行動です。
失業保険の受給資格を確認しておく
派遣契約が満了した後、すぐに次の仕事が決まらない場合は、失業保険の受給を検討することもできます。
ただし、自己都合での退職(契約更新を断った場合)の場合、給付制限期間があります(2024年10月以降は原則2ヶ月)。また、受給要件や手続き方法は変更される可能性がありますので、必ずハローワークで最新情報を確認してください。
失業保険を受給しながら次の仕事を探す場合、求職活動の実績が必要です。ハローワークでの相談や、派遣会社への登録も実績にカウントされます。
参考: ハローワークインターネットサービス(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/)
50代が介護派遣を初回更新しないとき心配な3つのこと
初回更新を断ると決めたものの、不安が残る方も多いでしょう。ここでは、よくある心配事についてお答えします。
派遣会社との関係が悪くなる?
適切に伝えれば、関係が悪くなることはほとんどありません。
派遣会社も、スタッフと施設のミスマッチは日常的に発生すると理解しています。むしろ、無理して続けて途中で体調を崩されるほうが困るのです。
ただし、以下のような行動は避けましょう:
- 契約満了の直前に突然伝える
- 派遣先に先に伝えてしまう
- 感情的に派遣先の悪口を言う
早めに誠実に伝え、最後まで責任を持って働けば、派遣会社からの信頼は保たれます。
次の仕事を紹介してもらえる?
適切に対応していれば、次の仕事を紹介してもらえる可能性は高いです。
むしろ、派遣会社としては、あなたが「何が合わなかったのか」を知ることで、次はより適した施設を紹介できます。体力的な問題なら日勤のみの施設、人間関係が苦手なら少人数の施設、といった具合です。
大事なのは、「介護の仕事は続けたい」という意思を伝えることです。「条件が合う場所なら続けたい」と伝えれば、派遣会社も積極的に動いてくれます。
ブラックリストに載る?
一般的に、ブラックリストのようなものは存在しません。
ただし、派遣会社内部では、スタッフの対応履歴が記録されています。たとえば、「この人は初回更新を断ったが、理由は体力面で、対応は誠実だった」といった記録です。
この記録がマイナスになるかどうかは、あなたの対応次第です。誠実に対応していれば問題ありませんが、無断欠勤や契約途中での突然の退職などは避けましょう。
初回更新しなかった50代、その後どうなった?
「実際に初回更新を断った人は、その後どうなったの?」という疑問にお答えします。
※以下は複数の派遣会社へのヒアリングおよび公開されている体験談に基づく事例です。個人情報保護のため、一部内容を改変しています。
ケース1: 別の施設で無事に働けている(デイサービスへ)
54歳・女性のケース
特別養護老人ホームで派遣として働き始めましたが、夜勤を含むシフトが体力的にきつく、初回更新を断りました。
派遣会社に「日勤のみで、利用者さんとゆっくり関われる施設」という希望を伝えたところ、小規模なデイサービスを紹介してもらえました。
現在は週4日、9時〜17時のシフトで働いており、「今の職場なら定年まで続けられそう」とのことです。
ケース2: 派遣会社を変えて再スタート
57歳・男性のケース
派遣会社の対応に不満があり(連絡が遅い、希望を聞いてくれない)、初回更新を機に派遣会社を変更しました。
新しい派遣会社では、担当者が丁寧にヒアリングしてくれて、「夜勤なし、時給は少し下がってもいい」という希望に合った施設を紹介してもらえたそうです。
派遣会社との相性も大事ですので、合わないと感じたら変えることも選択肢の一つです。
ケース3: パート勤務に切り替えた
51歳・女性のケース
派遣で働き始めましたが、シフトの自由度が低く、家庭との両立が難しいと感じました。
そこで、初回更新を断り、同じ介護業界でもパート勤務に切り替えました。パートなら勤務日数や時間を自分で調整しやすく、家庭との両立がしやすくなったそうです。
派遣が合わなければ、パートや正社員といった別の雇用形態も検討してみてください。
50代におすすめの介護の働き方【初回更新後の選択肢】
初回更新を断った後、どんな働き方があるのか? 50代におすすめの選択肢をご紹介します。
夜勤なしのデイサービス
デイサービスは、利用者さんが日帰りで通う施設なので、基本的に夜勤がありません。
50代で体力面に不安がある方には、最もおすすめの職場の一つです。勤務時間も8時〜17時や9時〜18時といった日勤帯が中心なので、生活リズムも整いやすいです。
デイサービスでの仕事内容は、入浴介助、食事介助、レクリエーションなど。利用者さんとのコミュニケーションも多く、「ありがとう」と直接感謝される機会が多いのもやりがいにつながります。
短時間から始められる訪問介護
訪問介護は、利用者さんの自宅に訪問して介護を行う仕事です。
訪問介護の魅力は、勤務時間の柔軟性です。1日2〜3件の訪問だけ、週3日だけ、といった働き方もできます。登録ヘルパーとして働けば、自分の都合に合わせてシフトを組むことも可能です。
また、一対一での介護なので、施設のような複数人を同時に見る負担がありません。
ただし、訪問介護で単独で働くには、介護職員初任者研修以上の資格が必要です。まだ資格がない方は、働きながら資格取得支援のある派遣会社を選ぶことをおすすめします。
パート・アルバイトで様子を見る
派遣が合わなかった場合、パートやアルバイトという選択肢もあります。
パート勤務のメリットは、シフトの自由度が高いことです。「週3日、1日4時間だけ」といった働き方もできますし、自分のペースで仕事に慣れていけます。
時給は派遣より少し下がることが多いですが、福利厚生がしっかりしている施設なら、パートでも社会保険に加入できます。
派遣会社を変えて心機一転
今の派遣会社の対応に不満がある場合は、別の派遣会社に登録するのも一つの方法です。
派遣会社によって、得意な地域や施設の種類、サポート体制が異なります。複数の派遣会社に登録しておくことで、より多くの求人から選べますし、条件の良い施設に出会える確率も上がります。
まとめ|50代の介護派遣、初回更新しなくても大丈夫
50代で介護派遣を始めて、初回更新を断ることは、決して恥ずかしいことではありません。
むしろ、自分の体と向き合って、無理のない働き方を選ぶことは、とても賢明な判断です。介護の仕事は、長く続けてこそ価値があります。無理して最初の職場で体を壊すより、自分に合った環境で長く働くほうが、本人にとっても介護業界にとってもプラスになります。
大事なポイントをおさらいします:
- 初回更新を断ることは労働者の権利として認められている
- 伝えるタイミングは契約満了の1ヶ月前までに
- 必ず派遣会社の担当者に最初に連絡する
- 誠実に対応すれば、次の仕事も紹介してもらえる
- 50代には夜勤なしのデイサービスや訪問介護もおすすめ
50代はまだまだ働き盛りです。介護業界は人手不足が続いており、あなたの経験とスキルを必要としている施設は必ずあります。焦らず、自分に合った働き方を探していきましょう。
もし今、「初回更新を断ろうか迷っている」なら、まずは派遣会社の担当者に相談してみてください。きっと、あなたに合った道が見つかるはずです。
【参考情報】
- 公益財団法人介護労働安定センター「介護労働者の就業実態と就業意識調査」
- 公益財団法人介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」
- ハローワークインターネットサービス
【免責事項】 本記事の情報は2026年1月29日時点のものです。法律や制度は変更される可能性がありますので、最新情報は公式サイトや専門家にご確認ください。個別の状況については、弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。







